男の旅は一人旅 奥蓼科編 2
その昔、武田信玄が負傷兵を湯治させた隠し湯として知られる渋の湯温泉は、
奥蓼科温泉郷の最奥である。ここで道路は終わってその先は登山道となる。
ここにいる人のほとんどは八ヶ岳連峰の登山客だ。バス停の傍らを流れる渋川の上流を見ると
小さなダムから滝が落ちており、その向こうに中山(2496m)が見える雄大な眺めだ。
川沿いに2軒の宿があり、手前が渋御殿湯、奥が渋の湯ホテルである。
まずは渋御殿湯に入湯することにした。受付で入湯料800円を支払い、
複雑なわかりにくいアプローチを経て脱衣場・浴室へ。浴室に入る。床・壁・天井・浴槽、
すべてがヒノキづくりになっており、ヒノキの臭いがぷーんとするが、それに混じって硫黄の臭いが立ち込めている。
浴槽は湯がさめないように板の蓋がしてあるのだが、全部めくられていた。
まずは加熱浴槽へ。浴槽内からぶしゅーっと湯が噴き出しており、硫黄臭もない。
加熱槽は温泉ではなく普通の湯の循環かもしれない。体が温まったところで、
2人が入ったらいっぱいになるくらい小さな源泉槽へ。白濁した冷たい源泉は酸性硫黄泉で泉温は24度。
成分で白く変色した竹筒から掛け流しにされている。浴槽の内側にはびっしりと細かく白い湯の花がはりついていて、
湯の中にも大量の湯の花が舞っている。最初ちょっと冷たいがわりと入りやすく、かなりさっぱりした感じがして
気持ちがいい。浸かってみると硫黄の臭いが鼻をついてきてものすごい極楽感だ。
Ph2.6の酸性の湯を口に含むと、酸っぱいレモン味。浴槽の底には黄緑色がかった湯の花が沈殿していたので、
わしづかみにして肌にすりすりした。このまま酸の中で南蛮漬けのようになりたいと思ったが、
体が冷えてきたので加熱浴槽へ。またまた加熱槽・源泉槽の往復が始まった。
源泉はわりと入りやすいほうだと思うけど、冷たくて入れないという人もいるようで、
群馬から来たというおっさんは足をつけただけで退散して加熱槽しか入らなかった。これはもったいない。
硫黄の臭いと湯の酸味を楽しみながらかれこれ1時間、4回ほどローテーションしたところであがることにした。
加熱槽にはちょっとがっかりしたけど、ここの源泉は最高に良い。◎。
帰り受付で信州秘湯会の本を見つけ300円で購入。スタンプラリーのページがあって、
スタンプの数によって小結から横綱まで認定証がもらえるのだが、もう行ってきた明治温泉、
渋川温泉のスタンプ欄もあってちょっと残念だった。くそー。2個損した。
とりあえずこれからは秘湯横綱を目指す事にした。
そろそろ隣の宿・渋の湯ホテルにチェックインすることにした。この日3つ目、
しかもかなり成分の強い湯に長時間入るはしごしていたので、このときもうけっこうけだるく
ぼーっとしかかっていたのだが、渋の湯ホテルの玄関に立ち込めた硫黄臭を嗅いだ瞬間、
再び戦湯モードに切り替わった。
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