子どもの感性を育む会
《 緊急!子どもが学校につぶされる 》
掲示板A.[No.586] 持ち物検査などなど 投稿者: Tossyさん
警察官の職務質問については、警察官職務執行法2条に、「警察官は、異常な挙動その他
周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑う
に足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われよう
としていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる」
と定められています。その際、所持品検査は、本人の同意なく行うことはできません。
学校での持ち物検査については、いわゆる「ナイフ事件」で一時期問題になりましたが、
警察官と違って、国公立、私立を問わず、教員には生徒の持ち物を強制的に検査する権限
は法律上ありません。
しかしながら、たばこや覚せい剤、ナイフなどの危険物を生徒が学校に持ち込むなど、生
徒指導上生徒の所持品を調べる必要がある場合もあるでしょう。警察官でさえ、強制的に
所持品検査をすることができないのですから、警察官でない教員は、生徒が自分の意思で
所持品を教員に見せない場合に、いかなる強制力も行使できません。
よくあるのが、体育館などに全生徒を集めての一斉検査や、「相談室」などで一人の生徒
を複数の教員で取り囲んで、持ち物を出すよう迫ることは、事実上の強制であり、違法の
疑いがあります。
生徒がナイフなどの凶器を隠し持っており、かつそれらの凶器を使用して、生徒や教員が
危害を加えられる危険が切迫しているような特段の事情があれば、緊急避難として持ち物
検査は許されるという見解がありますが、そうした場合は、警察に連絡して、警察官にや
ってもらうことになるでしょう。
法的にはこうなりますが、持ち物検査という手法は、教員が生徒を頭から疑ってかかるも
ので、教員と生徒の信頼関係を大きく損なうものです。「ナイフ事件」の際には、ごく一
部の学校を除いて、持ち物検査は行われませんでしたが、この点を考慮してのものではな
いかと思います。
生徒が集会を開く際に、事前に学校に許可を求めさせるという規則は、かつての学園紛争
のとき(今の生徒なら、祖父母の年代)に、全国の学校に持ち込まれたもので、中には学
校の外まで規制し、「三校禁」(3校以上の生徒が集まることを禁止する)などというと
んでもない校則が、いまだに残っているところもあるようです。
子どもの権利条約は、結社の自由及び平和的な集会の自由を認め、「法律で定める制限で
あって国の安全若しくは公共の安全、 公の秩序、公衆の健康若しくは道徳の保護又は他
の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課
することができない」(15条)と定めています。
憲法21条に関する最高裁の判例では、「一般的な許可制を定めてこれを事前に抑制する
ことは憲法の趣旨に反するが、公共の秩序の維持・公共の福祉の侵害防止のため、特定の
場所、方法につき、合理的かつ明確な基準の下に、あらかじめ許可を受けさせることは、
必ずしも違憲ではない」(東京都公安条例事件際高裁判決)というものです。
したがって、学校の生徒といえども、校内で集会(その目的が宗教的、政治的なものであ
っても)を開く自由がありますが、全く無制限の自由があるわけではありません。グラウ
ンドも含めて、学校の施設を使用するのであれば、管理上の問題から、制限があるのはや
むを得ません。また、学校という性格上、集会の目的に一定の制限が加えられるのも同じ
です。暴走族の集会を、学校内でやらせるわけにはいきませんからね。
したがって、生徒の安全の確保や校内秩序の維持、授業の妨げにならない(授業時間中に
は許可しない)などの条件をはっきりと定めて、あらかじめ許可を受けるように定めるの
ならともかく、何の基準も示さず、ただ許可を得ることというのなら、違憲の疑いがあり
ます。
無気力だの自主性がないなどと、とかく批判を受けがちな今日の若者が多い中、ともかく
自主的に集まって何かやろうということは、むしろ喜ぶべきことではないでしょうか。そ
れを禁圧しようとするのは、学校や教員に対する批判的な動きを警戒してのことではない
かと推測するのですが、ということは、そういう学校の教員は、自分たちのやっているこ
とが、批判を受けるだけのものであることを、自覚しているということでしょうかね。
掲示板A.[No.151] プライバシーの権利と心のノート 投稿者: Tossyさん
プライバシーの権利は、わが国では憲法13条(幸福追求権・人格権)に基づく実に広範な概念で、最
も基本的には「ひとりで放っておかれる権利(right to let alone)」、すなわち私的な問題に関し
て他人から干渉されたり、私生活を覗き見されない権利を指します。年々この権利の内容は拡大され
てきて、人工妊娠中絶や尊厳死も、プライバシーの権利の内容と考えられています。さらに、服装や
髪型などのライフスタイルについても、プライバシーの権利に含まれるという見解も有力です。
その中心的な内容は、個人の私生活の内容や、氏名・住所・電話番号、職業、家族構成などの個人に
かかわる情報を他人に知られないことで、これらがさまざまな手段で不特定多数に知られるような状
態に置かれることばかりでなく、他人に知られたくない事項の開示を拒むことを含みます。これらの
個人情報を保有している他人(行政機関を含みます)が、これらを公表したり、第三者が知りうる状
態に置くことや目的外に使用することはもちろん、これらの個人情報の提供を本人やその関係者に強
要することも、プライバシーの侵害になります。
さらに、他人が保有する個人情報に関して、その内容や使用目的を知ること、その情報に誤りがあれ
ば訂正を求めること、情報の使用目的によっては情報の破棄を求めることなどの「個人情報アクセス
権」もまた、プライバシーの権利の重要な内容として、最近特に重視されるようになりました。今国
会で審議されている個人情報保護法案も、建前の上ではこの権利の保護を目的としています。
学校教育関係では、指導要録や調査書(内申書)をはじめ、出席簿、健康診断票などの、子どもの学
習や生活、保健関係の記録(法令に規定によって作成が義務付けられているもののみならず、通知表
や閻魔帳など、補助的な表簿や記録を含みます)、さらには「家庭調査書」」「家庭調書」などと呼
ばれている、子どもの家族に関する情報を記入した書類などは、いずれも個人情報です。
したがって、教員をはじめとした学校関係者は、これらの個人情報を第三者が知りうる状態に置いた
り、目的外に使用することはもちろんのこと、子どもや親、その他の関係者にこれら個人情報の提供
を強制したりしてはなりません。当然のことながら、これらの個人情報の管理には細心の注意が必要
で、紛失や盗まれるというようなことのないよう、万全の措置を講じる必要があります。
ところが、通知簿や閻魔帳、子どもの成績等の個人情報を記録したフロッピーディスクやCDなどの
記録媒体を、紛失したり盗まれるなどの事件が相次いでいます。また、D掲示板の1425の書き込みに
も触れられているように、子どもの個人情報が記入された書類や帳簿類が、無造作に職員室の机の上
に置かれて、職員室に出入りする他の生徒や親、出入り業者の目に容易に触れる状態になっているこ
とは、決して珍しいことではないでしょう。
日教組の国民教育文化総合研究所が、昨年10月から12月にかけて、16都道府県の小、中、高校、障害
児学校に対して行った個人情報の管理に関するアンケート調査によると、これらの個人情報を、施錠
された金庫やロッカーに保管している学校は18%、管理マニュアルがあるのは10%に過ぎません。ま
た、学校が警察、裁判所、児童相談所など外部から個人情報の提供を求められた場合は、39%が「原
則としてすべて応じた」と答え、そのうち83%は本人や親の了承をとっていませんでした(朝日新聞
5月18日)。
http://www.asahi.com/edu/others/K2001051800594.html
その他、学校内外の研修等で、事例研究や実践発表という形で、子どもの個人情報や家庭環境、親の
職業や生活状態に至るまでが、本人の承諾なく事細かに公表されるというようなことは、ごく当たり
前に行われているのではないでしょうか。いかに実名ではなく仮名やイニシャルにしてはいても、本
人を知る人が見ればすぐに特定できます。守秘義務が課されている教員や教育委員会関係者だけが出
席する研修会の席上ならばともかく、不特定多数が書店で購入できる、教員向けの専門書や雑誌にも
こうした文章が数多く掲載されていることは、プライバシーへの配慮が十分でないといえるでしょう
もっとも、いわゆる「内申書裁判」以降、内申書や指導要録の本人への開示は、都道府県によって多
少のばらつきはあるものの可能になりましたし、文部科学省も全面開示の方向にあります。また、家
庭調査書等についても、年々その記入内容が簡略化され、家族構成や親の職業等の個人情報の記入を
求めない例が増えています。これらがプライバシーの権利への配慮であることはいうまでもありませ
ん。
件の「心のノート」については、その内容を全く知らないのですが、子どもが他人に知られたくない
と感じる事項を記入させるようなものになっているのであれば、プライバシーの権利との関係で問題
は生じます。そのノートに何を記入するかということや、記入するかどうか、さらに記入したものを
教師に提出するかどうかが、子どもの自由意思に委ねられているのならともかく、何らかの強制が働
いているのなら、たとえ記入内容が他に開示されないとしても、プライバシーの権利の侵害となる恐
れがあります。
宿題として課されたということですが、事前に出しても出さなくてもよいことや、記入したくないこ
とは記入しなくてもよいことを告げ、直接子ども本人から受け取るなど、記入された内容が他の子ど
もの目に触れないようにするなどの配慮をきちんとしているのなら、決して完璧とはいえないまでも
取り立てて問題視するほどではないでしょう。しかし、提出や記入が強制する場合はもちろん、記入
や提出の有無が通知表や内申書の記述に影響するようなことを告げれば、強制力を働かせることにな
り、プライバシーの侵害の問題が生じます。
「心のノート」に限らず、「生活ノート」「生活記録」「日記」など、子どもの毎日の家庭生活の内
容や日々思ったことなどを書かせて提出させる指導は、かなり広く行われています。こうした指導は
生徒指導や学習指導のうえできわめて有効であり、子どもにとっても自分自身を客観化することがで
きるなど、教育効果も大きいく、それ自体が人権侵害として非難されるほどのものではないと思いま
す。しかし、記入や提出が強制されたり、記入内容が第三者の知りうる状態に置いたり、他の目的に
使用されたりすれば、プライバシーの権利の侵害になるでしょう。
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管理者・寺本こういち
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お知らせ-1
持ち物検査と集会届について。
教員による持ち物検査と生徒の集会届について、Tossyさん(元教師の方)が掲示板A.にて非常にくわしく解説していただいております。Tossyさんありがとうございました。
お知らせ-2
児童・生徒のプライバシーについて。
児童・生徒の私的問題・私生活等のプライバシー権利について、Tossyさん(元教師の方)が掲示板A.にてくわしく解説していただいております。Tossyさんありがとうございました。
お知らせ-3
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