辞典ついて
         〜何故暫定版なのか〜


 ここに「(暫定版)安部公房作品辞典」として掲載したのは、 あくまでも安部公房の作品にたいし、ちょっと触れたいなあ、を50音に並べてみただけに過ぎない。
 もちろん、全ての作品を網羅すればいいのかもしれないが、それなら全集を見れば充分だから必要なかろうとも思っているし、 また作品に対して感想をしこたま書きたい、というわけでもない。
 とりあえず、検索しやすいように50音でまとめてみたが、さて、この先どう充実させるのか、 それとも、もっと作品にたいして文句を言える掲載にするのか、 はたまた、どなたかが卒論に安部公房を選んだ際に、資料としてつかいやすいようにするのか、 そんな行方も何も考えずに作った故、暫定版とした。 だから、ゆくゆくはこうしたい、こういう形式のものにするというのは、 何もないのだよ。
 で、せめて、自分自身が安部公房の作品と共に生きてきた時代や自分の価値観が
「うん、これで反映できた」
そう思えるまでを暫定版としたい。
 だいたいからして、そんなんじゃ、いつまでも暫定版じゃなかろうか。 たぶん、そうだろう。
 安部公房は他界した、でも、私の内部では、今でも、彼の思想は完結せず、 むしろ増殖し、あたかも植物の枝のように、あちこちあらぬ方向へ伸びていくばかりである。